奈良の鹿が凶暴化?!いつも通りパワフルで自由なだけです
これは奈良の鹿と最低限のコミュニケーションを取るためのTip
How to do
1.鹿せんべいをあげる時は、図1のように高く掲げる
(中途半端な高さだとルール知らずの人間と思われ、ひょいぱくっとされる)
2.鹿がぺこりと一礼したらスマートにさくっとあげる
( 何度もお礼ばかりさせないこと)
3.手持ちの鹿せんべいがなくなったら図2のように手をひろげて振る
(両手を胸の前でバイバイする感じ)
4.鹿せんべいをあげている途中に空腹の鹿たちに囲まれてしまったら、残りは出し惜しみせず、さくっと与えて逃げる
5.お腹がいっぱいの鹿はおせんべいを見せても知らん顔するので、その場合は深追いしない
6.鹿をむやみやたらに触らない
7. お互いを尊重してルールを守って接する
8.奈良の鹿愛護会のページを見て鹿について知識を深める
Pros & Cons(プラスとマイナス)
Pros
鹿せんべいをめぐるやりとりを覚えておけば、せんべい終了後に襲われない
鹿せんべいをあげる時に鹿がお礼をする、というのを知っている人は多いですが、いざおせんべいがなくなって去る時に、図2の<もうありませんよ>ポーズが出来ない人は多いです。これをしない限り、食いしん坊の鹿は(まだあるんだろう)と思い、つついたり服を噛んだり詰め寄ってきます。
しかし、このポーズでもう何もないよと示してあげることで鹿たちは諦めて離れてくれます。ポーズを知らなくても自然と、もうないよーと手を振れる人は良いのですが、ただひたすら逃げ回る人は引き続きつつかれたりして怖い思いをすることになります。
奈良近辺の人であっても知らない人がいるくらいなので、ぜひ全国規模で広めて皆様に覚えて頂きたいと思っています。
鹿せんべいはけちらないほうがお互いスムーズ
鹿との触れ合いを求めて、一枚ずつちびちびあげているとお腹が空いている鹿はぐいぐい近づいてきます。そういう場合は囲まれてカツアゲにあいやすいため、量で勝負です。大抵の人はひとくくりのおせんべいを購入するところを、一気にふたくくりくらい買ってこちらからぐいぐいあげます。ゆっくりあげると強い鹿ばかりが前にきて、他の鹿にあげられませんが、数があれば大きい鹿にあげた後、即座に他の鹿にもあげることでまんべんなく与えられます。なくなったら、さっさと手を振って終了を告げる。しつこい鹿には「もう、ないよー」と言いながら困った顔をみせてさらに手を振れば、諦めていただけると思います。
無理強いをやめるとお互いしんどくならない
上記とは逆にお腹がいっぱいの鹿にはしつこくせんべいをあげても怒らせるだけです。
鹿はおだやかなので、そんなに簡単には怒らず、せんべいを口元に持っていっても知らん顔するだけですが、やたらとしつこい人間にはやや怒りのポーズをみせてきます。
そんなことにならないように、満腹そうでいらんなーという顔や態度の鹿にはしつこくしないように気をつけましょう。
ま、たいていの鹿はほんとに悲しくなるくらい知らん顔して、愛想でひと噛みしても、口からぽいっと出してしまいますけどね…。
人も鹿も尊重しあってルールを守り、接することで悲しい行き違いや事故は防げる
奈良の鹿について学べるサイトは上記の鹿愛護会があります。鹿せんべいをあげて触れ合いたいな、とお思いの際は相手である鹿についてある程度知っておいた方が楽しい時間を過ごせるのではないでしょうか。時期によっては子鹿をめぐり母鹿がいらいらしていたり、鹿同士がいらいらする季節もありますので、知っておいて損はありません。何も知らずにこちらの思い通りに動いてくれるなんて、尊大な考えだと思いませんか。人が上、鹿が下なんてことは決してありません。
定められたルールに則り、お互い気持ちよく過ごせるよう努力をしましょう。
Cons
異端のものと崇められる
友達や家族に、めっちゃ鹿とコミュニケーションとれてるやん、何者?とやや怪訝な目で見られる
このTipに関するConsはこれくらい。
What happened?
夕方のニュースの勝手な解釈に驚く
ニュースで<奈良の鹿が凶暴化している>と報道されたのを見て、心底驚きました!!
「何言ってんだ?お腹空いてるだけじゃないか!」と子供のころから鹿が身近な存在であった私は鹿のかわりに怒ってしまいました。失礼なニュースだ、と。なぜTVニュースもネットニュースもきちんと調べて、裏をとって正しい情報を流さないのか。この人目さえ集まればなんでも報道してやろうという態度は改めて頂きたいものです。
冬はただでさえ観光客が少ないのに加えて、中国からの団体さんやその他大勢の観光客の皆さまがこのコロナウイルス騒ぎで奈良公園に来ていない。そうなると期待していた鹿せんべいがもらえない。そんな時に、数人の人が待望のおせんべいを持ってやってきたら、だめとはわかっていても誘惑に負けて近づいてしまいますよ、鹿だって。
彼らは奈良公園でいつも通り、自由にパワフルに生活しているだけです。
それをこのように報道してしまうと、ますます観光客が来なくなって、事態は悪化する一方です。
鹿たちはある程度のごはんは毎日食べていますが、鹿せんべいも楽しみにしているはず。皆で慈しんで大切にしていきたいです。
観光の際に気をつけたいこと
話は変わりますが、時々、鹿の中には本来食べてはいけない人間のお菓子や、お菓子を包むビニールやコーティングされた紙ごと食べてしまう子がいるそうです。そういう危険なものは鹿にはあげてはいけないし、食べてしまう可能性のあること(カバンを開けてベンチに置いておく、など)もしてはいけません。こちらについても、奈良を訪れる際はよくよく注意して観光したいものです。
Conclusion
奈良の鹿は凶暴化しているのではなく、観光客の減少に伴い、期待していた鹿せんべいがもらえず、お楽しみが減ってがっかりしているだけでいつも通り。
そして、おせんべいをあげる時のルールはきちんと存在しており、それを遵守することでより良い関係が築けるのです。