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子どもに見せるべきヒーローものとは!

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これは、男の子が道を誤らず、自分で考え判断出来る、強く優しい人となるためのTip

 How to do

1.小学校に入る前は本人が好きなヒーローアニメや戦隊もの、どのようなものを見ていてもOK

2.小学校に入学後は、戦隊ものの場合、さりげなく
「5対1だと、数で不公平かも」「怪人側には事情がないのかしら」
など、時折気がつくセオリー通りの状況に疑問点が存在することを示唆する

3.アンパンマンなどの場合は、
「実はすごいのはジャムおじさんじゃないだろうか」「バタコさんのアンパンマンの顔を投げる時のコントールは素晴らしい」
というように、周囲の状況を意識するよう声かけをする

4.小学2年生くらいから、マーベルヒーロー(例えばスパイダーマンなど)のアニメを勧めてみる
この際、決して無理強いはしない

5.アニメの中で、主人公がヒーローになる過程や、ヒーローにならなければならなかった背景が理解出来るようになった頃に、次はマーベルヒーローの実写映画に挑戦させてみる
(面白い!と本人が言えるくらいのものからスタート。「ガーディアンズオブギャラクシー」などオススメ)

6.空想科学読本の小学生向けをさりげなくリビングに置く
この本を読ませることにより、空想の世界から現実世界へ想像の基点を移し、より広い視野で物事を考えられる力を育成する
加えて、絶望や諦観ではなくユーモアを持ってして、空想と現実の間には大きな隔たりがあることを理解させる

7.『ワンパンマン』のアニメを一緒に見る
そして、<ヒーローとはなんなのか>を最終的に親子で話し合う

 

 Pros & Cons(プラスとマイナス)

Pros

幅広いヒーローの存在を知る機会が多いほど多用性を身につけることが出来る

小学校入学前までは好きなものを好きなように見させることで〈ヒーローとは〉という押付けの概念が無い状態を保ちます。

親の好きなアニメやヒーローものを、それらを理解する年齢でないうちに見せてしまうと本来の意味から遠く離れた理解しか得られなかったり、反対に歪んだ印象だけを残すこととなります。
小さいうちは年齢相当の絵本や、幼稚園・保育園のお友達が話すもの、TVから知ったものを本人の好きなように見させてあげることが大切です。
親は、内容が過激であったり、この子には早すぎるな、と判断した時に止めてあげる役目をしましょう。

一般的な<正義が勝つ>という内容くらいで構いません。
もちろん悪役の怪人が好きなら、それも止めません。
キャラクターのパターンはいろいろありますし、ヒーローと悪者の形態自体も様々です。出来るだけ幅広いパターンに触れておくとより良いです。

一つの事象に対して多方面からの見方を想像出来るようになる

小学校に入り、ある程度のお話への理解が深まってきたら項目2,3のような声かけをすることで、単に正義が悪を倒すだけではないことを理解させます。賢い子だと悪者側の理屈について(本当はこうじゃないか?)といくつかのパターンを考えて、親に話すこともあるでしょう。
また、ジャムおじさんのようにヒーローを陰ながら助けるとんでもない天才の存在など、周囲との関係性にも注目出来るよう導いてみましょう。

難しい言葉でなくて良いので、「アンパンマンバイキンマンを最後まで本気でやっつけないのはなんでかな」と子供の横で呟いてみたりするのです。

人や物には必ず背景や事情があることを知れば想像力が備わる

マーベルのキャラクターや、彼らが使用する武器にはそれぞれ背景があります。
最初から全てを理解する必要は全くありません。お話が進んでいくにつれ徐々に理由が明らかになっていくパターンが多いので、とりあえず見続ければ大丈夫。そうこうしているうちに、ストーリー上のいくつかの謎が場面が展開するにつれ解明していきます。大人でも、なるほど!と思ってしまうほど。
これらを通して、単純に正義の味方というだけではなく、時には辛い過去や出来事がヒーローを生み出していることがわかり、ヒーローそのものへの考えが深まります。

マーベルの良いところはヒーローと同様に悪者にも光が当てられていることです。
ベノムなどは主演映画もあるくらいです。
おすすめにあげたガーディアンズオブギャラクシーの各キャラクターはそれぞれ複雑な背景を持ち、口の悪いところや正義とは程遠いところがあり、ただしそれら全てを持ってして彼らである様に描かれています。
存在のあり方を頭から否定せず、ありのままを受け入れる姿勢は大切。大事にされているキャラクターには何かあるんだろうと、見ているこちらも考えることになります。

marvel.disney.co.jp

現実と結びつけて考えることで想像力がさらに広がる

ヒーローもののアニメや映画の中には、多種多様な人物、物象が存在し物語を魅力的に彩ります。ただし、これらを空想や妄想の中にだけ留めておくのは非常にもったいないです。現代の世の中において実現可能かどうかを問うことで、より詳細を想像していくことが出来ます。例えば、数値や実際にあるものを使って、ヒーローの移動方法を解析した場合、そのヒーローにリアリティが生まれます。自分の生きる世界において、ヒーローとはどのように存在するのだろう?と考え始めると、子供たちは想像力を豊かにすること間違いなしです。

bookclub.kodansha.co.jp

最終的にヒーローとは<自分で考え、判断し、戦う、ものすごく努力した普通の人>だと知る

上記の<様々な存在の認知・多角的な見方・個々における背景の理解・現実世界での在り方>を基盤とした上で『ワンパンマン』のアニメを親子で見ます。
ここには、圧倒的でありながらごく普通の感覚を持つヒーローがいます。彼は、自身の判断と考えを持ち、自身や自らが信じるもののために戦う普通の人です。
ここに至るまでに見知ってきたヒーローとは全く異なるかもしれません。ただ、この異なる方向性が、過去で抱いた疑問や成長するにつれ湧き上がってくるもやもやした気持ちをすっかり解消してくれるのです。
ワンパンマン』の主人公は、一般的な努力をものすごく行ったことで人としてのリミットを外してしまった青年です。人のパワーの限界を超えている普通の人です。やたら正義ぶったりしませんし、良いところだけの人ではありません。このお話がヒーローものとして成り立っているのは彼を取り巻く環境や周囲の人々のおかげです。彼よりよほどヒーローらしいキャラクターも多々登場します。しかし、真のヒーローとは何か?を考えた際、主人公のサイタマ氏が強く思い浮かびます。

お話はどれも面白く、つっこみどころ満載な部分が子どもの心を捉えて離しません。そんな中、主人公は一貫して彼らしいヒーローであり続けます。人として弱い部分を持ちつつも軸がブレない。彼を取り巻く周囲の人たちも、彼が普通でありながら際立つよう良い立ち位置にいます。あらゆる方向から感心します。

では、『ワンパンマン』を最初から見せたら良いじゃないかと思うところですが、その場合は、ただのギャグ路線のヒーロー漫画で終わってしまう恐れが多大にあります。順を追ってヒーローを理解していくことに意味があり、子供が『ワンパンマン』を深く理解するには、やはり積み重なる知識が必要です。
それを今回のHow to doで書かせてもらいました。

注意点は『ワンパンマン』はやや描写が過激なところ(流血、怪人のやられ方など)がありますので、早くても小学3〜4年生から見せるようにして下さい。
そのような描写が得意でない子はもう少し大きくなってからにして下さい。

アニメが良かったら原作漫画を読むことで、一つ一つのセリフを追い、より深く考察するのもおすすめです。
村田雄介氏のリメイク版はこちらで公開されています)

tonarinoyj.jp

 Cons

ワンパンマン」までのプロセスが多いため途中で飽きる

知って欲しい知識や背景が多いため、上記のHow to do途中で飽きてしまうかもしれません。また、なんらかのヒーローの段階でプロセスを止めて、その一点にハマってしまう可能性もあります。どちらも無理に進める必要はありません。その時点でその子なりの考えで立ち止まるということは、すでに自分で判断しているから、です。
時をみて、声をかけてあげてはいかがでしょうか。

How to do中の理解が乏しい場合はシニカルな見方を持ってしまう

ワンパンマン』には最強の主人公が登場します。周囲への目線や背景への理解が出来ていれば皮肉な見方は避けられるはずです。しかし中には、結局強いものだけが勝つんでしょ、という諦めのような気持ちを持つこともありえます。さらに、所詮、漫画やアニメ、空想だからと斜に構え、深く考えることをやめてしまう場合もあります。
残念ですが、この様な状況になってしまった場合は、いったんヒーローものから離れた方が良いでしょう。現実世界でしばらく過ごす間にいつかきっと、再びヒーローに思いを馳せる瞬間がやってきます。その時に親としてサポート出来る様、見守りましょう。

  What happened?

ワンパンマン』には既存のヒーローものにありがちな疑問をすっきり解決してくれる要素が多々含まれています。その上、ヒーローたるものの芯である<誰かを助ける>という方向性は明らか。そしてその芯を決めているのは主人公自ら。あからさまに正義が勝つという構造はなく、いわゆる正義を振りかざした弱いものいじめは存在しません。読了後は清々しい気持ちになります。

それらが子供にも伝わるだろうかと思い、Amazonプライムで放映されていたこのアニメを子供に紹介しました。

・主人公以外のヒーローや怪人・悪者が登場する際にやたら饒舌に話す不思議

・口上を述べている間はお互い攻撃しない不思議

・戦い中にやたら心の中の思いが述べられる不思議

そのような疑問を一撃で吹っ飛ばす主人公サイタマ氏は、瞬く間に小3男子の心を鷲掴みました。
今までに友達が教えてくれた戦隊ものやアニメのヒーロー、マーベルヒーローなど幅広く見知ってきた息子にとって、サイタマ氏はどのようなものか問うたところ、
「・・・すごいな
普通で最強」
自分で決めて、趣味でヒーローやってんねんな」
「そんで、地球、救ってるな・・・』
「今まで気づかなかった(ヒーローにありがちな)不思議な点がはっきりした」
「・・・でも努力しすぎてハゲ・・・」

とのことでした。

私は自分が感じていた清々しさを共感してもらえて嬉しかった反面、よく9歳で理解したなぁと感心しました。そこで、彼と各ヒーローものとの経緯を振り返り、納得する点が判明したためブログにまとめた次第です。

ワンパンマン』には、本当に様々な要素が詰め込まれています。エンターテイメントとしての漫画である一方、深いなぁと考えさせられる点が見受けられ、大人にも人気を博しているわけです。
私個人は、
・行った努力の内容が割と普通なところ
・力と引き合えに髪の毛=対価を払っている点
・正義の見方=ヒーローだけがいつも勝つ構造に疑問を抱くキャラクターがいること
・最強の主人公がいる反面、弱くても立ち向かう情熱的なキャラクターがいること
などなど、書き出すと止まらないくらい好意的に見ております。
なにより、サイタマ氏の人柄が好きなのです。
(ちなみに、ONE氏の原作はこちらで見ることが出来ます。)

galaxyheavyblow.web.fc2.com

Conclusion

子供たちが夢や空想を広げ、それらを現実世界に還元し、勇気と活力を持ち大きく羽ばたいて欲しい。

大人のエゴや押し付けで、一方的なヒーロー像ばかり子供に与えてしまわないように気をつけていきたいものです。

そして、たくさんの選択肢の中から、彼らが考え、選び取れるよう、環境を整えてゆくのが大人の仕事の一つかな、と思っております。